田舎から3年前に上京。
証券会社に勤めるサラリーマン。髪はぼさぼさ、よれよれのスーツ、パンパンの鞄。そして目が死んでる~
元V系バンド在籍。ギター。インディーズでじわじわ人気が出てきたころに音楽性の違いで解散。
仕事忙しい⇒バンド解散⇒彼女と別れる⇒仕事忙しいという魔のループ。
ある日定食屋で飯を食った帰りに道端で何やら光るものを発見。
近づいてみるが何もない。
後ろを振り返るとアッー!
気付いたら風の丘に寝転がってました。手ぶらで。
とりあえず人里まで降りてみると、なんかコスプレの人が多い。
「あれ?俺コミケ会場来ちゃった?」
そうこうしてるうちに剣をもった人やら、空飛ぶ人やら、喋る動物やらを見て、ようやく別の世界にきてしまったのだと気付く。
「いや、夢だ、夢夢。俺ってなんて痛い子!26にもなって!」
頭を抱えていると、どこからか聞き覚えのある音が。
酒場のテラス席で、フードを目深にかぶった人?が、三線を弾いてます。
見知らぬ世界で、唯一日本とつながっているものをみつけて感動。その場で号泣。
見かねたフードの人が声をかけます。
「この楽器に何か思い入れでもあるのか?…その、俺の演奏は他人に感動を与えるほど巧くないと思うんだが」
「ううっうぐっ…わんぬ故郷ぬ楽器さぁ~」
「…?そ、そうか、故郷の楽器…異界の品らしいんだが、俺が持っていても仕方のないものだから、宜しければ差し上げよう」
入手ルートについては特に何も言わないフードの人。
「いいの?いや、でも俺、あれだ…一文無しだから。もらうわけにはいかねえよ」
「一文無し?」
会ったばかりのフードの人に訥々と経緯を話すと、フードの人は数回うなずいてから、
「異界から来たのなら、異界の人が多く集まる場所に行ったほうがいいだろう。同郷の者にも会えるかもしれない。心当たりがあるんだが、どうする?」
そうして入学が決定。
お金はフードの人がたまたまありあまるほどの金を持っていたので(入手ルートは不明)、難なく入学。お金は着々と返してます。
服はフードの人の弟がスーツに異常に興味を示したため、交換してもらいました。
サイズが合わなかったので、フードの人の妹に怪しげな薬を一杯飲み干すことと引き換えに調整してもらいました。そのときの薬の副作用で、三日三晩腹痛と格闘。治った頃には目と髪の色が変化してしまっていました。
「まあ、バンドのときとかわんねえな(プラス思考)」
と本人は気にしていない様子。
副作用としてもうひとつ、歌声に変な波長が入っていたのか、歌うと動物が集まるように。
「俺ムツゴロウさんじゃね?」
フードの人がうらやましげに見つめています。
せっかくなのでバンドのときにしていたキャラを生かすことにし、口調、名前を変更。
そして今に至る。
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